EXCLUSIVE INTERVIEW DUANE STEPHENSON

 前作から4年振りとなる新作『DANGEROUSLY ROOTS』をリリースしたDUANE STEPHENSON。個人的には自分の心の琴線を刺激する歌とメロディを大量に持ち合わせている「マイ・シンガー」。『FROM AUGUST TOWN』『BLACK GOLD』を通じて抱いていたその想いは、そこからの大いなる飛躍、「覚醒」を実感させてくれる新作を通じて確実に。

 DUANE STEPHENSONとはこれまで2回会っていて、ショーも確認しています。どれも偶然にそうした機会に恵まれたのですが、またその機会に恵まれました。10月のはじめにNYのVP RECORDS本社を訪れたら、「DUANEが会社に来るよ。新作のプロモーションで昨日からNYに来ているよ」。せっかくなので直接話を聞かせてもらうことにしました。新作と本人の理解に役立てば幸い。まだまだ日本での認知&人気は不十分ですけど、是非多くの人に知って、聴いてもらいたいと思います。素晴らしいシンガー、アーティスト、そして作品です。


◆新作で通算3作目となる『DANGEROUSLY ROOTS』がリリースされたばかりなんですけど、これまで以上に素晴らしい内容と感じています。前作の『BLACK GOLD』から4年ですが、その間にいったい何があったのでしょう?

DUANE STEPHENSONiconあはは、ありがとう。前作をリリースしてからは、まずはそのプロモーションも兼ねてツアーに出ていた。ただ、この4年間の間で一番時間を割いていたのはTHE WAILERSとのツアーだ。2年半ぐらいは彼らとのツアーで世界を飛び回っていたんだ。それと並行して、新作用の曲作りも開始して、ツアー期間中に7曲、ツアー後に残りを仕上げて新作を完成させたという感じだね。


◆THE WAILERSはFAMILY MAN(ASTON BARRETT)が率いているバンドですよね? 昨年の彼らの日本公演の時にもサポートのヴォーカリストが参加してBOB MARLEYの曲を歌っていましたけど、それを担当していたのですか?

iconそのTHE WAILERSだけど、自分の場合は彼らのショーのオープニング・アクトとして自分のオリジナルを歌って、ショーの最後に自分も参加して彼らと一緒にBOB MARLEYの曲を歌ったりするパターンが多かったね。ちょうどアルバムを2枚リリースして、新作に向けて新しいサウンドとか刺激を求めていたから、良いタイミングだったし、良い経験になったね。それに参加したことで新作の方向性が固まることにもなったしね。


◆そもそもどういうきっかけでTHE WAILERSのツアーに帯同することになったんですか?

iconある人から曲を書くように依頼されて、それで曲を書いて自分で歌ったデモ音源を渡したんだ。実際は別の人が歌う予定だったから、あくまでもデモとしてね。それを聴いたTHE WAILERS関係の人から「あの音源を歌っているシンガーは誰?」って連絡があって、「自分だ」って言ったら、ツアーの話が来たって感じだね。うん、THE WAILERSから直接誘われたわけではなかったんだ。


◆そのツアーに参加したことで新作の方向性が固まった、とのことですけど、

icon うん、THE WAILERSのツアーは世界各地に行くんだ。勿論、アメリカやヨーロッパとか自分としても行っていた場所もあったけど、初めて行く場所も多かった。アフリカ、ニュージーランド、あとブラジルやチリとかの南米とかにもね。そこで確認したのは、自分達の音楽(ジャマイカのレゲエ)がいかに世界中に浸透しているか、あと、過去のジャマイカのレゲエがいかに知られているか、ということ。ジャマイカの人達、特に若いジャマイカの人達よりも海外の人達の方が知っていて、中にはジャマイカではそうは知られていない曲がスゴく人気があることも知ったんだ。


◆海外に出たことで気付く自国のコトってありますよね。

iconそうそう。で、それを通じて、改めて自分でも過去のジャマイカのレゲエを聴き直してみることにしたんだ。DESMOND DEKKER、JIMMY CLIFF、BOB MARLEY、PETER TOSH、PARAGONS、あと、BERES HAMMONDとか現在に世界で人気のある人の曲や、世界でクロスオーヴァー・ヒットしてきた曲とかもね。勿論、もともと知っているけど、より綿密に細かくベース・ラインとかドラム・パターンとかを細部までを意識して聴き直したんだ。それは新作を作る上で役立っていると思う。世界の人々が求めるレゲエのサウンドを考える意味でね。あと、そうしたコトを通じて、自分達の音楽(ジャマイカのレゲエ)が随分と過去のものから遠ざかってしまっていることも感じたんだ。

◆それは過去のものの方が良くて、新作ではそれを取り戻すことを意識したということですか?

iconいや、そうではなくて、現在でも過去でも優れているものとそうではないものは存在していて、ただ、過去から現在まで世界で受け継がれている自分達の音楽(ジャマイカのレゲエ)にはそうした優れたクリエイティヴィティが存在しているというコト。だから、新作を作る際にはそうした細部にもこだわって、後々の未来にまで受け継がれるような作品にしたいと思うようになったんだ。


◆タイトルにも『ROOTS』と。

icon作品タイトルにある『ROOTS』には色々な意味が含まれていて、「自分達の過去」とか「ルーツ・ロック」だけを指すのではなくて、「自分達の過去から受け継がれるもの」といった意味もあるんだ。自分達の音楽(ジャマイカのレゲエ)としてのアイデンティティーは大切にしたいところだし、それが世界の人々が自分達の音楽(ジャマイカのレゲエ)に対して求めているものだとも思うし、自分としても大切にしたい、というところだね。そういったことがコンセプトだね、新作の。


◆それをTHE WAILERSとのツアーを通じて確認して、新作に向かったという感じなんですね。

iconそうそう。で、そのコンセプトの上で新作で組むべきプロデューサーの選定にも入ったんだ。デビュー作の『FROM AUGUST TOWN』からのDEAN FRASERは今回も勿論だけど、DONOVAN GERMAIN、CLIVE HUNT、CHRSITOPHER BIRCHといった過去からレゲエを作ってきた大御所達に依頼して、それにPHILLIP “WINTA” JAMESといった現在の感覚でレゲエに向き合えている人を迎えることにしたんだ。「懐古」だけにならないようにバランスは意識したね。大御所達は過去も含めた経験や知識も多いし、音へのこだわりが強いし、そのコンセプトを実践するのに相応しい人達だと思ったんだ。


◆制作はかなりスムーズに進んだんですね。

icon基本的にはね。曲は全て書けていたし。ただ、1曲のベース・ラインのために4人のベーシストに録り直しさせたこともあったし、FLABBA(ERROL “FLABBA” HOLT)にベースを弾いてもらうために彼がツアーから帰国するのを四ヶ月も待ったりしたこともあったよ。それで制作が遅れたりもしたけど、それ以上に求めるものを追求することに重視したんだ。


◆変な質問かもしれませんけど、大御所達が録ったベース・ラインを「変えて欲しい」とか言うのは気が引けたりはしませんか? 言いづらくありません?

DUANE STEPHENSON
iconあはは。自分の場合は「こっちの方がいいんじゃないか?」と思えるものを実際に弾いてもらって、それを大御所達にも聴き比べてもらう感じで、提案をして一緒に話し合う感じなんだ。彼らも自分が提案したものを聞き入れてくれたし、そうした話し合いの中で自分が求めているものをより理解してもらうことにもつながったし、全然平気だったよ。と言うか、求めているものがあるのなら言わないとね。


◆まぁ、シンガーの中にはよく「歌う以外はプロデューサー任せ」な人もいますけど、そうではないんですね。って、アルバムにも「Executive Producer」とクレジットされていました(手元のCDで再確認)。

icon 自分で曲を書いているし、その時点で仕上がりもイメージしているから、それは追求しているよ。「歌って終了、後は知らない」とかはないね。あと、今回に制作に時間が掛かったのはエグゼクティヴ・プロデューサーとして自分で作品全体だけではなく、予算管理とかもしていたから。「あー、この曲はあの人にギター弾いてもらいたいけど、予算尽きちゃったから、他の仕事でお金を作ってから頼むことにしようか」とかもあったね。うん、そこまで担当したのは初めてだったね。こだわったという意味でも。


◆そういう意味では3作目ではありますけど、新作はホントの意味でのデビュー・アルバムと言えるかもしれないですね?

iconそうと言えるのかもね。ただ、そういうと前の作品が良くないみたいだからそうは言わないで欲しいけど(笑)。これまでも最善を尽くしてきて、その上で今回はこのやり方が最善だと思ったという感じだね。その度により最善になっていければいいな、って感じだね。


◆自分としてはそうなっていまね。

iconあはは。それは嬉しいね。ああ、こだわりという意味では、少し話が前後するけど、過去のレゲエを聴き直していた時にミックスのコトがスゴく気になったんだよね。例えばさ、〈JAMMY'S〉のミックスとかスゴい音がタフでさ、シンプルなんだけど、スゴく一つ一つの音が強いんだよね。「そういうタフなミックスがなんで現在は作れてないんだろう?」とかね。「JAMMYが使っていた25年前より現在の方が機材とかは全然進化しているのに」とかね。


◆あー、わかります、

DUANE STEPHENSON iconうん。もしかしたら、みんな自分のコンピューターで音の波形を画面で見て、それに頼ってやるようになっていて、それだけでは伝わらない部分を見落としてしまっているのかもしれないね。まっ、だから、新作はそうしたミックスとかにもこだわったんだ。全部を同じではなくて、タフな曲ではよりタイトに、ラヴァーズではよりメローにとか、曲ごとに合せたミックスを意識したね。あと、専門的な話だけど、マスタリングもこの世界ではトップと言われているスタジオ(STERLING SOUND 注: ジャンルを問わずメジャー・アーティストも多数使用のNYの世界的マスタリング・スタジオ)で仕上げているんだ。

◆そうした音や曲ごとのこだわりとは別に、新作は全体の構成にもこだわりを感じていて、所謂「曲の寄せ集め」ではなくしっかりとした「アルバム」といった印象がします。コンセプチャルな印象と言うか。で、その中でMUTABARUKAがイントロとアウトロで二回登場して与えて全体に与えている効果やイメージも強いと思います。

icon全体としての構成はかなり熟考した。言われる通りにしっかりとした「アルバム」として届けることを意識した。その新作の完成形を考える中で、曲だけではない要素も加えることで逆に曲がより活きるとも思ったし、全体として与えるイメージも広がると考えたんだ。で、誰かにイントロとかスキットで参加して欲しいと考えた時に、MUTABARUKAが適任だと思ったんだ。ダブ・ポエットとしても、ラジオのホストとしても、ラスタとしても、そのキャリアもジャマイカやルーツ・ロックのアイコンとしても申し分がない。あと、ハッキリとモノを言うことでも知られているけど、それだけその言葉には責任感も説得力もあるということだよね。最初に打診したら「自分が気に入らないとやらない」と言われたけど、出来上がった収録曲を聴いてもらったら、「I Like It」ってやってくれたんだ。うん、どちらもフリー・スタイル、台本とかはないよ。それが期待以上の内容だったから、途中と最後の二回収録することにしたんだ。


◆あと、TARRUS RILEY、I-OCTANE、LUTAN FYAHが参加した曲も全体の振り幅を広げるのに効果的に思いました。彼らの起用もご自身の判断で?


DANGEROUSLY ROOTS
Journey From August Town

VPGS7030 / In Stores / Imports

01. RASTA FOR I
02. GOOD GOOD LOVE
03. NAH PLAY
04. MUTABARUKA INTRO
05. JAH REIGN
06. COOL RUNNINGS
07. JULENE feat. I-OCTANE
08. SIMPLY BEAUTIFUL
09. LONDON BRIDGE
10. HOUSE OF LIES
feat. LUTAN FYAH
11. COME RIGHT IN
12. GHETTO RELIGION
feat. TARRUS RILEY
13. DANCE FOR ME
14. SORRY BABYLON
15. RUN FOR YOUR LIFE
16. MUTABARUKA OUTRO

icon勿論。彼らとは仲も良いしね。あと、彼らの楽曲のバッキング・コーラスとかもしていたから協力的だしね。そうそう、お金の部分でも(笑)。いや、一緒に曲を作ると言うよりも、先に自分が曲を書いてて、そのイメージに合うアーティストを呼んだ感じだね。その曲もコンセプトも伝えてからスタジオに来てもらった感じだ。それぞれに個性もあるから、それで判断した感じなんだ。誰でも良かったわけではないんだよ。


◆「アルバム」の完成形を考える上で他にも意識したことはありますか?

icon「聴いていて映像が浮かぶ作品」にすることだね。いや、そうじゃないよ、全体を通じて一つの映画みたいなアルバムにするという意味ではないんだ。映画は映像があるだろ、それも決まった映像が。そうではなくて、それぞれの曲で聴く人が色々な映像を思い起こさせられるような曲作りを意識していて、それらがまとまって作品を通じて、DUANE STEPHESONの世界観を感じてもらえるように意識しているんだ。この作品には人々を鼓舞するメッセージ、社会の現実を切り取ったメッセージ、ラヴァーズ・ロック、内省的でスピリチュアルな曲とか色々と収録されている。ストリクトリーなルーツ・ロックも、メローなバラードまでタイプも色々とある。それを聴いて人々が曲のイメージに合せて色々な映像を頭の中で浮かべてもらいたいんだ。思い浮かぶ映像は聴く人によって違っていてもいいんだ。ただ、そうやって曲を聴いて自由に自分で想像力を広げられることも音楽の持つ大きな魅力で素晴らしさだとも思うんだ。


◆なるほど、

iconって、俺が言っているコトわかってる? ホント? うーん、例えば「Rasta For I」を聴くと何を浮かべる? どんな映像が頭に浮かぶ?


◆そうすっねぇ、「逆境に負けずにラスタ・マンが力強く立ち向かっている様子」みたいな感じでしょうか?

iconあははー、そうそう、そういう感じ。そういう感じでいいんだ。それをそれぞれが自分に置き換えたりしてみてもいいんだ。そうし易いように、イメージを限定し過ぎないように歌詞とかも考えているんだ。実名とか、あまり具体的過ぎる内容だとイメージも限定してしまうから、それは避けるようにしているんだ。特定の誰かや何かを糾弾するメッセージ・ソングでも、自分はその相手の名前を出したりとかはしないんだ。ただ、聴く人が「きっとアレのコトだ」とイメージするのは自由で、判断も委ねたりているんだ。


◆そういう曲作りはいつから意識するようになったんですか?

iconもともとだね。多分、それは自分がそうやって音楽を楽しむのが好きだったからさ。うん、子供の時からね。子供の時に住んでいた家の向かいの通りで毎週末にダンスが行われていてさ、「まだダンスに行ってはいけない」と言われていた頃から家でずっとそこから流れる音楽を楽しんでいたんだ。流れてくる曲から好き勝手に色々と想像するのが好きで、その中で映像を頭で浮かべさせてくれるような曲が特に好きだったんだ。誰かが何かをイメージして作った曲を、聴く人がまた何かをイメージして楽しめるみたいなのがね。音楽のそういう自由な部分が好きだったんだ。


◆そうした中でもどういう内容の曲が好きでした?

iconポジティヴな曲が好きだったね。聴いていて自分が励まさせれると言うか、エナジーが溢れていく気になれるような曲だね。今もそうで、自分もそうした歌や気持ちを届けられる存在でありたいと思っているよ。新作を通じても、自分がポジティヴなメッセージを伝える存在だと伝えたいね。あと、自分はもともと「燃やせー!」とか言うタイプでもないしね。そういう性格ではないんだ。


◆ああ、CAPLETONやSIZZLAみたいに。

iconいや、具体的に名前は出さないよ(笑)。LUTAN FYAHはそっちだけど(笑)、まっ、ただ、そういうタイブや性格の人間では自分はないということだよ。


◆子供の時の話が少し出ましたけど、本作のデビュー作は『FROM AUGUST TOWN』で、新作の副題にも「Journey From August Town」とありますけど、出身はオーガスト・タウンですよね。

icon
そう。ギリギリ良い時代のオーガスト・タウンね。


◆そんなに良くないですか、現在は?

iconああ、酷いよ。荒れちゃってね。ギャングの抗争とかで。現在では「オーガスト・タウン出身」と言うだけで、差別を受けるよ。仕事も見つけにくいよ。出身地でそうした目に遭うのがジャマイカの良くないところだよ。ただ、良い時代のオーガスト・タウンを知っている者として地元への誇りはあるし、それを取り戻して欲しいとも思うし、自分の活躍がその力添えになれたら、とは思っているよ。そうした意味でもタイトルとかに入れているんだけどね。「オーガスト・タウン出身でも面倒な奴ばかりじゃないぞ」と知って欲しいしね。


◆そこまで荒れているとは知りませんでした。以前とかのどかなイメージが強くて・・。

DUANE STEPHENSON
iconねっ。良かったんだけどね。ああ、新作でBUNNY WAILERの「Cool Runnings」をカヴァーしたのも、それに似たメッセージもあるよ。コレはダンスホール、って、現場の方の意味だけど、その素晴らしさを歌った曲なんだけど、最近のダンスホールの現場は警察が止めに来たり、色々とトラブルも多かったりもするんだけどさ、もともとはそういう場ではなかったんだよ。ジャマイカのルーツ、過去の音楽の良さを受け継ぐという新作のコンセプトもあって、今回にこの曲をカヴァーもしているけど、それに合せて現在の「ダンスホールは死んだ」っていう風潮に対して、「ダンスホールはもともと素晴らしいん場だったんだぜ」「それを取り戻そうぜ」って伝えたいのもあったんだよね。うんうん、もともとこの曲は好きだったんだのもあったんだけどね、新作のコンセプトとしても今の状況に対して歌うべき曲だとも思ったんだよ。


◆ダンスホールと出たのでアレですけど、現場の方ではなく、音の方でのダンスホールですけど、最近のジャマイカはダンスホールよりも自身も属するルーツ系、あと、CHRONIXXとかJESSE ROYALとかJAH 9とかの若いルーツ系のアーティストの方が勢いあるように聞きますけど、それはどうでしょう?

iconそれは確かだね。そうしたワン・ドロップ、ルーツ・ロック、昔からのレゲエ・スタイルに回帰しようとするムーヴメントはあると思う。ラスタによる啓蒙的でポジティヴなメッセージとかもね。まぁ、ダンスホールも勿論人気だけど、一部のアーティスト達の抗争とか、スターの逮捕とかトラブルも多かったしね。それへの反動と言うか、何よりも人々がそういうのではなく、よりポジティヴなものを求めている傾向にあると思うよ。うん、それはそれだけ社会の状況が悪化している証拠とも言えると思うけど。


◆そうしたルーツ回帰の傾向は自身として歓迎されることですか?

icon変わらないね。そうしたムーヴメントに合せて歌い始めたわけでもないし。VYBZ KARTELやMAVADOの時代、ダンスホールがシーンの中心だった時代から自分は活躍しているし、その期間に2枚のアルバムも出してきてるしね。そうだね、TARRUS RILEYもETANAもその期間に2枚出しているよね。彼らと共にその時期から続けていられていることに感謝しているよ。そうしたことが現在の若いアーティスト達にも良い影響を与えているとも思っているよ。あと、ずっとポジティヴな歌を歌い続けてきて、そうした存在と認知されてきたことで助かっているのも感謝しているよ。


◆「助かっている」?

iconうん、例えばさ、警察に止められても「ああ、なんだお前か。ポジティヴでピースな歌を歌っている奴か」と面倒にならないし、他のエリアに入って行っても同様に「問題ナシ」って通してもらえる。DUANE STEPHESONが面倒を起こす奴ではないとみんな知ってくれてる。あと、こうやってNYとか、世界に行けることもそうだけど、歌がなかったらどうなっていたかわからないしね。こうしたピースな性格だったり、歌を作ったり、歌える才能がなかったら、どこで撃ち殺されていたかわからない。あのままオーガスト・タウンの普通の住民だったらね。

DUANE STEPHENSON

◆「才能」と言いましたけど、新作でも「あー、この節回しはDUANE STEPHENSONだなー」と一聴してわかる独特、哀愁と言うか、エモーショナルな節回しと言うか、そういう部分があるんですけど、新作の中では「Sorry Babylon」とかにそれを感じて自分としてはツボなんですけど、そうしたオリジナリティはどうやって生まれていると思います?

iconあはは、それは自分でもわからないねぇ(笑)。ただ、もしそう感じてくれるなら嬉しいね。自分が好きなアーティストもみんなそういう部分持ってるし。そうだね、基本いつも曲を作る時は歌から。リディムを聴いてからではなくて、歌詞とメロディが先に浮かぶ感じ。インスピレーションと言うのかな。あと、色々な音楽、他のジャンルとかを聴くコトでインスパイアされることもあるかな。それは子供の時からもそうでさ。それこそ、ダンスとかもレゲエばかりじゃなくて、特にアーリー・タイムとかはカントリー・ミュージックとかソウルとか色々な音楽が流れていて、そういう中で自然と自分の好みみたいなのも作られてきたんじゃないかな。そういうのは影響受けていると思うよ。


◆一番影響を受けたのは?

iconレゲエはBOB MARLEYとか全部(笑)、切りがない(笑)。あと、AIR SUPPLYとかKENNY ROGERSとかSAM COOKEとか・・、うーん、色々だね。カントリーとか好きだね。カントリーはジャマイカでは人気だよ。一番? 多分、JIMMY CLIFFだね。歌も曲も全てオリジナルでしょ。そうした曲作りの面もだけど、シンガーとしても自分とは歌い方も違うけど、彼の歌い方、高音の出し方とかは自分なりにすごく影響を受けていると思う。影響を受けていると言うか、憧れの存在だね。ブラジルに行った時に現地でのJIMMY CLIFFの人気に驚いたけど、ブラジルに限らず世界においてジャマイカやレゲエを代表する存在だよね。日本でもそうだろ?


◆勿論です。大スターですよ。ジャンルを超えて。今年も来てますし、去年もですし、何度も日本をツアーしていますね。言われる通りジャマイカやレゲエのアイコンとして定着していますね。

iconだったら、自分もいつかJIMMY CLIFFみたいになりたいね(笑)。そうしたら日本に行けるんでしょ?(笑)。一度歌いに行きたいんだよね。そうしたら、きっともっと伝わるとも思っているし。プロモーションもしに行きたいんだよね。前回も言ったけど、呼んでよ。今度は日本で会おうよ。


◆えー、そうできるようにこっちも頑張ります(笑)。

icon
頼むよ。ホント。マジで。


INTERVIEW & TEXTED & PHOTO BY:八幡浩司 / KOJI YAWATA(24x7 RECORDS, INC.)
@VP RECORDS NY OFFICE / 2014年10月2日


DUANE STEPHENSON
DUANE STEPHENSONジャマイカ/オーガスト・タウン出身。グループ活動(TO-ISIS)を経てソロ・シンガーへと転身。「伸びやかでしなやかな歌声を持ったシンガー」「哀切に濡れた楽曲を作り出すソング・ライター」「デュエインほど最高の曲を全部一人で仕上げられるヤツはいない」とその才能を見出したのはDEAN FRASER。07年に「Ghetto Pain」「August Town」「Cottage In Negril」他、「メロー美曲集」なデビュー・アルバム『FROM AUGUST TOWN』リリース。TARRUS RILEY、ETANAと共に「新世代ルーツ・シンガー」として注目を集める。10年にGRAMPS MORGAN(MORGAN HERITAGE)、QUEEN IFRICA他のゲストを迎え、前作よりもその表現の幅を広げたセカンド・アルバム『BLACK GOLD』リリース。シーンの今後を担う注目&期待の逸材。

VP2347 FROM AUGUST TOWN
VP2347 / In Stores / Imports
DEAN FRASER制作のデビュー・アルバム。
VP1897 BLACK GOLD
VP1897 / In Stores / Imports

★前作『BLACK GOLD』リリース時のインタヴュー
www.247reggae.com/special/int/10093.html


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