EXCLUSIVE INTERVIEW - J-BOOG from HAWAI'I


PHOTO 9/8の「横浜レゲエ祭 2013」にスペシャル・ゲストとして、世界的に注目が高まる現在のハワイのレゲエ・シーンを代表するスター、J-BOOGが来日しました。その翌日に本人を直撃。「横浜レゲエ祭 2013」、同公演でも披露した今夏にリリースした配信限定シングル「Surfer's Anthem」のコトに加えて、改めて自身のキャリア、今後の予定、そしてハワイのレゲエ・シーンについて色々と語ってもらいました。笑顔の絶えない巨漢でした。


◆日本にようこそ。早速ですが、昨日の「横浜レゲエ祭」はいかがでしたか?

icon素晴らしかったね。来る前に何度も過去の「横浜レゲエ祭」の映像を見ていたから、「あの映像の中に自分がいるんだ」って実感しながら歌っていたし、ものスゴく楽しめたよ。バンド(HOME GROWN)も素晴らしかったし、いつも自分がハワイとかで演っているのと同じ感覚で歌えたね。うん、確かに言葉の壁はあったとは思うけど、あれだけエナジーを発している観客を前にしたら、「そんなことは関係ない、やるしかないだろ、やってやろうぜ!」って感じだったね。音楽はそうした壁を超えてくれるものだしね。とにかく、観客の熱気がスゴかったし、それは今までの他のどことも違っていたね。日本人のアーティスト達も素晴らしかったし、ステージや会場全体の雰囲気に自分もうまく乗れた気がしている。出演できたことを嬉しくも思うし、素晴らしい経験ができたことにも感謝しているよ。


◆昨日のステージではSAMI-T(MIGHTY CROWN)の紹介を受けて「Surfer's Anthem」も披露していました。SAMI-Tがプロデュースした曲ですが、改めて制作の経緯を教えてもらえますか?

iconSAMIと言うか、MIGHTY CROWNとは6年ぐらい前かな? 前回に初めて日本に来た時に会ったんだ。そうそう、小錦(元大関)が呼んでくれた時で、シブヤ? シナガワ? とにかく東京のレストランみたいな店で三回ぐらいショーをした時に彼らが来てくれていて、そこで会っていたんだ。それで、去年にSAMIがハワイに来ていた時に連絡があって、その翌日に会ってMIGHTY CROWN TV用にインタヴューをしてもらったんだ。その時に「一緒に曲を作ろう」という話になって、SAMIから「ココで暮らしていて、なんでサーフィンの曲がないの?」ってアイディアが出て、それをテーマに作ることにしたんだ。


◆サーフィンはやられるんですか?

EDDIE WOULD GO!!
EDDIE WOULD GO!! /
エディ・ウッド・ゴー!!

スチュワート・ホルムス・コールマン著
翻訳版:ニ出版社刊
ハワイの海に消えた永遠のサーフ・ヒーロー/英雄伝説「エディ・アイカウ」物語。漢の生き様に拳ぎゅーっ。ハワイ/サーフィンがアレでも是非。

icon勿論だよ。ワイメア(オアフ島のノース・ショア)に住んでいるからね。サーフィンの大会でも有名な場所だよ。


◆EDDIE(EDWARD AIKAU、ハワイの伝説的なサーファー&ライフガード)の聖地ですよね?

iconそうそう。あのビーチの近くだよ。シュリンプ・ワゴンが並んでいるところを超えると、その先にスーパーがあるでしょ? あの裏の方に自分達は住んでいるよ。


◆リディムはDAVE & ANCEL COLLINSの「Double Barrel」をSAMIがリメイクしたものでした。

iconDOUBLE BARREL / DAVE & ANCEL COLLINSSAMIがジャマイカで録音したのかな、それを送ってもらって歌ったんだ。お互いあちこちツアーしているからね。リディム? ああ、勿論気に入っているよ。ああいう古いレゲエを好んで聴いて育っているからね。それに実際のサーフィンをしているようなグルーヴ感を合わせるイメージで歌ったんだ。あと、歌詞には一緒に参加したFIJIとハワイのサーフ・スポットの地名とかも入れることにしたんだけど、オアフ島にも西の端に「ヨコハマ」って地名があって、なんか偶然だけど良かったね。SAMIのホーム・タウンともつながっているしね。


◆改めてですけど、生まれも育ちもハワイなんですか?

iconいや、生まれたのは西海岸のカルフォルニアのロング・ビーチで、育ったのはコンプトン。そう確かにヤバい場所かもね(笑)。子供の時からヒップホップやR&Bとか色々と聴いていたよ。でも、自分の育ったコミュニティの中ではレゲエがたくさん流れていたし、自分もBOB MARLEYとかGREGORY ISAACSとかそういうルーツ・レゲエが一番しっくりときていたんだ。うん、ハワイとかサモアとかポリネシアン系のコミュニティだったから、特にレゲエが中心だったね。ジャマイカのレゲエだね。いや、「なんで?」って言われても・・、うーん、自分達にはそれが一番合うとしか説明できないな。島の音楽と言うか、なんか接点が多いのかもしれないけど・・、それを説明するのは難しいな。自分達に合うとしか言えないな。


◆いつから歌い出したんですか?

icon7年前。ハワイに移ったのも7年前。うん、ハワイでシンガーとして活動しようと思ったのが7年前。


◆どうやってデビューと言うか、プロと言うか、そうしたチャンスを獲得したんですか?

icon
うーん、どうやって・・、〈WASH HOUSE〉の仲間達と始めた感じかな。


SELF TITLED / HOT RAIN / WASH HOUSE
◆もともと存在していた〈WASH HOUSE〉っていうレーベルに参加したというコトですか? 〈WASH HOUSE〉は自身のレーベルだと思っていたのですが?

icon
自分のレーベルだよ。だから、自分で仲間達と〈WASH HOUSE〉ってレーベルを作って、そこで自分達で制作してリリースしたり、プロモーションしたり、ショーとかし始めて知られるようになった、って感じ。そうそう完全にインディペンテンド。自分達で全部やるという感じ。いや、自分以外にも現在は他のアーティストも所属しているよ。HOT RAINとかもそうだよ。そうだね、彼らも人気者だね。


◆変な質問ですけど、いつからハワイでレゲエがこんなにポピュラーになったんですか?

icon
うーん・・、どうだろう・・


ANUWATUANUWATU(マネージャー):さっきJ-BOOGが言った通りに、もともとハワイの人達にとってレゲエとの相性は良かったと思うんだ。だから、BOB MARLEYとかの時代からジャマイカのレゲエはずっと聴かれていたと思うんだ。特にルーツ・ロックをね。で、次第にハワイの中でレゲエを演奏したり、ルーツ・ロックのバンドとかも演奏する人達が出て来て、ジャマイカとは違うハワイの独自のレゲエ・サウンドが人気になってきたんだ。それを「JAMAICA」+「HAWAIIAN」で「JAWAIIAN」と呼ばれたりしたんだけど、その頃(80年末〜90年代半ば)に現在のハワイのシーンの基盤みたいなものが出来たと思うんだ。それが現在のようによりストリートな感覚と言うか、ルーツ・ロックに限らないスタイルになってきたのは、FIJIとかの世代が90年代半ばから登場してからだと思うんだ。彼らの世代がもっとHIP HOPとかR&Bとか、勿論当時のジャマイカのダンスホールの要素を取り入れたスタイルで活躍したことで、ハワイの中でもレゲエはよりポピュラーのものになっていったと思うね。ラジオとかでも一日中流れているし、定着しているね。詳しい成り立ちはよくは分からないけど、そんな感じじゃないかな。


HAWAIIAN REGGAE◆また変な質問ですけど、ハワイって狭いじゃないですか? いつも思うんですけど、あれだけアーティストがいて、皆さんどうやって活動と言うか、生々しく言えば喰っているんですか? CD店もほとんどないですし、ショーの会場とかも限られていると思うんですけど・・。

icon音源の売上げの大半は配信になっているから、そんなにCD店のコトは問題ではないんだ。あと、自分もハワイと西海岸を頻繁に往復しながら生活しているけど、西海岸にはさっきも言った通りに、大きなハワイとかサモアとかのコミュニティがあって、そこも活動場所に含まれているんだ。ショーとかはハワイよりもそっちの方が多いし、その西海岸をもう一つの拠点として、そこからもっと東に(アメリカ本土に)、もっと世界に、と活動場所を広げて行くって感じなんだ。THE GREENとかは最近では一番成功して、アメリカ本土で知られるようになっているね。うん、そうだね、ニュージーランドとかもそこに含まれているね。ハワイ、西海岸、ニュージーランドとか太平洋に面している地域で一つのシーンが出来ている感じだね。だから、ニュージーランドのKATCHAFIREがハワイとかで人気があるのも不思議ではないと言うか、全部つながっているんだ。だからみんな決してハワイの中に限定して活動しているわけではないんだ。ANUHEAもヨーロッバとかで人気になってるし、自分も世界に知られるようになったしね。活動の地域は広がっているね。

BACKYARD BOOGIE
◆アナタが世界に知られる大きなきっかけになったのが、DON CORLEONとの「Let's Do It Again」だったと思うのですが、どうやってジャマイカのDONと知り合ったんですか?

 『BACKYARD BOOGIE』の制作のためにジャマイカに行ったんだ。もともとはMORGAN HERITAGEがハワイにショーで来た時に彼らのリリース・パーティーみたいなのもあって、その場でハワイの女性シンガーのIRIE LOVEがGRAMPS MORGANを紹介してくれて、それでジャマイカに行くことにしたんだ。で、GRAMPSとDIGITAL-Bのスタジオで録音していたんだけど、その合間にDONのスタジオに連れて行ってもらったんだ。MORGAN HERITAGE / IRIE LOVEその時にDONが[MINOR & MAJOR]のリディムを聴かせてくれて、GRAMPSの後ろで少しそれに合わせて歌っていたら、DONが「歌えるな、録音しよう」って言ってくれたんだ。それがきっかけ。その翌日には録ったと思うよ。少し作業が煮詰まっていた時に、DONがジャマイカ料理を作ってくれて、それが抜群に美味くて、それ食べたら一気に出来ちゃった感じだったよ(笑) とにかくヒット・メーカーのDONだったし、その偶然は幸運だったね。うん、あと、彼がいかに素晴らしいプロデューサーであるだけではなくて、シェフとしても素晴らしいってことを知って欲しいね(笑)。


◆「Let's Do It Again」もですが、『BACKYARD BOOGIE』に収録されたPEETAH MORGANとの「Sunshine Girl」も世界に知られるのに大きく貢献していると思います。

iconSunshine Girl J-BOOG feat PEETAHアレもその時のジャマイカでPEETAHが「曲を作ろう」と言ってくれて始めたんだけど、全然進まなくて、結局ジャマイカ滞在中にはできなかったんだ。後からPEETAHからリディムが届いて、その後にお互いがニューヨークに居た時に一緒にスタジオに入ったんだ。プラチナム・スタジオだったかな? そしたら、PEETAHがいきなり自分のあのパートを歌い出して、それがとにかくスゴくて、って彼の歌はハンパないからね(笑)、それに触発されて一気にそこで仕上げた感じだったね。


◆世界で知られるようになって変わりましたか?

iconJ-BOOGうん、突然世界中から連絡が来るようになったりしたし、「ダブを頼む」とかも言われるようになって、最初は「ダブって何だ?」って感じだったよ(笑)。うん、その時までダブとか録ったことなかったからね。あと、ヨーロッパを7週間もツアーしたり、アフリカにも行ったり、いろんな所に行けるようになったね。いきなり人生が大きく変わった感じがしたよ。


◆ヒット曲とヒット・アルバムが世界へのバスポートになりましたね。

iconうん、ホントにそう。もう自分のパスポートにはスタンプを押すページがないぐらいだよ(笑)。


◆今後のコトを聞かせて下さい。新作とか準備していたりしますか?

iconうん。予定としては来年の春ぐらいまでにはリリースしたいと思っているよ。まだ完成していないけど、もうかなり録っている。GRAMPS、ALAINE、GAPPY RANKSとかとも録っているし、ジャマイカ、ハワイだけでなく、ヨーロッパの〈SILLY WALKS〉とか〈SPECIAL DELIVERY〉、JUNIOR BLENDER(SUPER SONICS)とかとも色々と録っているのが前作とは変わるかな。まだ正式に内容は決まっていないけど、期待してもらっていいよ。


◆〈SILLY WALKS〉とか〈SPECIAL DELIVERY〉ってどちらかと言うとワン・ドロップの制作に秀でているレーベルですよね?

iconうん、だって、そういうレゲエで育っているからね。ワン・ドロップを聴いて育ったんだ。そういうレゲエが好きだし、これからもずっとそういうレゲエを歌っていきたいと思っているんだ。


J-BOOG◆新作だけではなく、これからの活躍に期待しています。今日はありがとうございました。

こちらこそ。次回にハワイに来る時には連絡して。一緒にBBQやろう(笑)。


後から登場したSAMI-T:コイツらのBBQはハンパないよ。とんでもない量を喰うからね。気をつけた方がいいよ・・。


◆ ・・・。


INTERVIEW & TEXTED BY: 八幡浩司(24x7 RECORDS, INC.)
@横浜MIGHTY CROWN ENTERTAINMENT / 2013年9月9日
Special Thanks to SAMI-T & JULIAN WENG (MIGHTY CROWN ENTERTAINMENT)


J-BOOG関連作品
DOUBLE BARRE / DAVE & ANCEL COLLINS DOUBLE BARREL
DAVE & ANCEL COLLINS

1971年に〈TECHNIQUES〉よりリリース。WINSTON RILEYプロデュース。タイトル・トラックの「Double Barrel」、「Memories Of Love」他名インスト多数収録のクラシック。TROJANより廉価再発盤有。ANCEL COLLINSはI-WAYNEの叔父で実質「育ての親」。現在もI-WAYNE他の作品でキーボード・プレイヤーとして参加するなど活躍中。
SELF TITLED / HOT RAIN SELF TITLED
HOT RAIN

ハワイ拠点の6人組レゲエ・バンド。2011年のデビュー作。「Cuz Im」「Take A Breath」他現地ヒット多数収録。美曲・美メロ・美歌揃いのルーツ・ロック作品。ヴォーカルのJAY KEYZはソロ・シンガーとしても大活躍中。
HAWAI'I 13 / THE GREEN HAWAI'I 13
THE GREEN

2010年の『THE GREEN』がMADONNA他からも支持を集めてUS全土で大ヒット、ハワイのレゲエの認知に大きく貢献しているハワイを代表するルーツ・ロック・バンドが今夏にリリースした最新作。
BEST SO FAR / KATCHAFIRE BEST SO FAR
KATCHAFIRE

ニュージーランドを拠点にハワイ/西海岸/ヨーロッパでも人気を集める7人組ルーツ・ロック・バンド初の本格世界進出作。タイトル通り、これまでのヒット曲で構成された現時点でのベスト盤。
FOR LOVE / ANUHEA FOR LOVE
ANUHEA

マウイ島出身の人気女性シンガーの大ヒット「Simple Love Song」、ESTELLEの「Come Over Love」カヴァー他収録の最新作。VP RECORDSから登場の『DUB ROCKERS VOL.1』ではTARRUS RILEYとの「Only Man In The World」をコラボ収録。先日に妊娠を発表。祝!
BACKYARD BOOGIE / J-BOOG BACKYARD BOOGIE
J-BOOG

2012年のセカンド・アルバム。「Let's Do It Again」「Sunshine Girl Feat.PEETAH MORGAN」、さらに「She Give Me Love Feat. TARRUS RILEY」他ヒット大量収録のビッグ・アルバム。
THIS IS IRIE LOVE / IRIE LOVE THIS IS IRIE LOVE
IRIE LOVE

MORGAN HERITAGEとも親交が深い人気女性シンガーがUKのLEE FRANCISと共に制作、昨年にリリースした最新作/セカンド作。PEETAH MORGAN、FIJI他参加。
HERE COME THE KINGS / MORGAN HERITAGE HERE COME THE KINGS
MORGAN HERITAGE

約6年振りとなるグループ活動復活作。今夏リリースで今年最大のヒット・アルバムを継続中。レゲエZION「2013年上半期売上1位」となった大ヒット「Perfect Love Song」収録。同曲にはハワイのレゲエ・サウンドの影響も大。ハワイでも大人気グループ。ハワイ・レゲエ・ファンに確実にマッチするジャマイカを代表するルーツ・ロック・グループ。
HIRIE / HIRIE HIRIE
HIRIE

フィリピン生まれ、イタリア生活を経て、ハワイで音楽のキャリアを開始した新進女性シンガーの登場したばかりのデビュー作。USでも人気の「Sensi Boy」他好曲多数。可愛いルックスと歌声でサウンドもアレンジもポップだが、サウンド・プロダクションは本格ルーツ・ロックで、ボーナス収録されているダブ・ミックスも秀逸。本インタヴューとは無関係だが関連作として大推薦。


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REGGAE
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