SEAN PAUL INTERVIEW

SEAN PAUL『TOMAHAWK TECHNIQUE』発売記念特集〜
「来日雑談」&「LIVE REPORT」。

TOMAHAWK TECHNIQUE
 2月25日夕方にSEAN PAULが来日しました。今回の来日は、その直前に登場した新作『TOMAHAWK TECHNIQUE』のプロモーションを目的としたもので、29日早朝まで滞在しました。実質3日間の日程には、数多くの媒体取材だけではなく、ミュージック・ビデオを撮影する予定も組まれていて超ハード。「来日したら少し話を聞きたいぜ」だったんですけど、その予定表を見ていたら「チト厳しいかー。どっかでチャンスがあるといいなぁ〜」と諦めモード・・。


 で、時間は「あっ」と言う間でして、気付けばSEAN PAULの帰国前日に。この28日は、今回の来日の目玉でもある特別イヴェントの開催日。自分達も夕方に会場である赤坂BLITZに到着したら、ちょうどリハーサル・タイム。SEAN PAULがかなりちゃんとリハーサルをしていて「ほー」。ええ、リハーサルをしないジャマイカのアーティストは結構多いんです。で、今回の来日を実現させてくれたワーナー・ミュージックの小野さんと会ったら、「このリハが終わったら、この後には楽屋でラジオとテレビの取材がありまして〜」「あと開場時間までに100枚ぐらいサインしてもらって〜」とこの日もハードなご様子で「ほー」。早く開場に着いたはいいけど、特に何もやるコトのなかった自分とマイ・クルーとは大違いです。「イヴェント前に少しは時間取れそうかな」と思って早めに会場に入ったのですけど、どうやら無理そう。


 で、バタバタと自分達以外の皆さんお忙しそうなので、「邪魔にならない場所〜」を探して会場内をフラフラ。気付いたらSEAN PAULの楽屋部屋の前。覗いてみたら、いつものスタッフ達も居なくて、SEAN PAULは一人でiPadをイジってました。SEAN PAULも自分に気付いて、「ココに座ったら?」とソファーを勧めてくれるので「うん、アリガト。でも、ココは今から取材で使うんでしょ?」と聞いたら、「取材時間がズレたから平気だよ」らしく、マイ・クルーのことも気にしてくれて、「彼女も呼んであげてよ」と言ってくれるので、マイ・クルーと二人で楽屋に入室。SEAN PAULと向き合う感じに。SEAN PAULもリラックス・モードだったので、「チャンス到来〜!」と感じて、「少し質問してもいい? 写真撮ってもいい?」と聞いたら、「いいよ」。ラッキー。


SEAN PAUL INTERVIEW

SEAN PAUL
クリックで大きな画像が見られます。

 で、急な展開でしたので、少し「何から聞こうかな?」と思っていたら、マイ・クルーが先に質問開始。SEAN PAULがイジっているiPadが気になった様子で、「何に使うことが多いんですか?」。そこから一気に会話がスタート。


SEAN PAUL  あらゆることに使っているよ。例えば(実際に画面をイジりながら見せてくれる)、コレはジャマイカのテレビ番組。オン・タイムで見れるんだ。こっちのチャンネルでは、ダンスの現場の映像を流しているな。うん、こうやってジャマイカを離れていても、ジャマイカの動きはいつでも確認できるようになっているよ。ホラ、見てみてよ、このダンサーの娘、スゴいでしょ(お尻ドーンの画像)!


八幡(以下Y):(笑)。そうやって、ジャマイカの情報を追うのもそうですけど、やはりジャマイカを長く離れたりすると、ジャマイカが恋しくなったりするんですか?


SEAN PAUL うーん、別にそれはないかな。適度に出たり入ったりもしているから、そこまで恋しくなったりとかは最近はないかな。あと、色々とストレスが溜まるとジムに行ってワーク・アウトするようにしているかな。それでスッキリだよ。一人で音楽聴きながら汗かいたりするのが一番だね。


マイ・クルー(以下MC):(SEAN PAULのiPadを見つめながら)、あのー、それは何ですか?


SEAN PAUL
SEAN PAUL - TOMAHAWK TECHNIQUE
SEAN PAUL

SEAN PAUL ん? コレは自分で撮った写真だよ(と次々と画面で写真を見せてくれる。ツアー先の写真から、至極プライヴェートと思われるものまで色々。その中には『TOMAHAWK TECHNIQUE』のジャケットと類似した写真が何枚も出てくる)。


Y:その写真は今回のジャケットで使用した写真?


SEAN PAUL うん、そのオリジナルだね。全部自分で撮ったんだ。それに自分で色を付けてみたのがコレ(と別の画像を見せてくれる)。うん、自分で色を付けたんだ。簡単だよ。で、コレを見た人達が『いいね!』って言うから、ジャケットに使用することにしたんだ。そうそう、タイトルも自分で書いてね。


Y:今回のジャケットは全部自分で作ったんですか?


SEAN PAUL クレジットとか仕上げは人に預けたけど、基本のコンセプトとアイディアはこうやって自分で全部iPadで作ったんだ。今までは高い金払ってデザイナーに自分のアイディアをカタチにしてもらってきたけど、なかなか思い通りには出来なかったりもするし、こうしてiPadによって自分で作れたり、表現できるになったから自分でやった方がいいんだよね。リディムだって、コレで作れるし(自作のリディムを流し始める)、自分がイメージしたものは全部コレで表現できる感じだよね。うん、写真、デザイン、リディム、ビデオ・・、ファンともtwitterやfacebookで出来るし、なんでもi-padで出来ちゃうからね(ココからしばらく様々な機能を実際にi-padで使い方を見せてくれる)。


MC:そうした写真とか、デザインとか、リディムとか、そうしたものを作る時は全部自分の中で思考が分かれたりするもんなんですか? 音と画が同時に思い付いたりもするもんですか?


SEAN PAUL 特にそれを意識したことはないかな。何かインスピレーションを受けたら、それをそのままコレでカタチにして表現しているだけさ。それがデザインの時もあれば、リディムの時もあるってだけで、特に意識していない。何かをコレで作業している時に、他のコトも思い付くもあったりもするし、頭の中は自由にしてあるんだ。コレは何でもカタチにしてくれるしね、便利だし、現実的だし、素晴らしいよ。


Y:うーむ・・、まるで、Appleの回し者みたいだ。俺達も欲しくなってきたな・・(日本語)

MC:ええ、ココまでiPadを使いこなしている人は初めて見ましたね・・(日本語)


SEAN PAUL
 (とっても得意気な表情でニコニコ)


MC:今作のジャケットでモノクロの写真にそのカラーを乗せた意味はなんですか?


SEAN PAUL 少し蛍光っぽいけど、レッド&ゴールド&グリーン。まぁ、ジャマイカやレゲエを表す色ってことだよね。


MC:タイトル(『TOMAHAWK TECHNIQUE』)の意味は?


SEAN PAUL - TOMAHAWK TECHNIQUE

SEAN PAUL 「TOMAHAWK」って、インディアンの持っていた大きな斧のコトで、その斧をこうして(振り上げて)、突き破っていくイメージなんだ。時代や状況、そうだね、自分の置かれた状況を自分で突き破って、新しいコトに挑戦していくイメージだね。「カッティング・エッジ」で有り続けるというイメージでもあるね。


Y:モヒカンの髪型にしたのもインディアンとかタイトルに合わせた感じ?


SEAN PAUL ううん、ただ、新しいイメージを求めたという意味では通じるかな。


Y:ふむふむ


SEAN PAUL 今回で5枚目のアルバムで、新しいコトに挑戦したかったんだ。するべきタイミングにも思えたしね。



TOMAHAWK TECHNIQUE

日本国内盤:2012年2月22日発売
WARNER MUSIC JAPAN / WPCR-14359
初回限定VALUE PRICE¥2,180(税込)

■ SONG LIST
01. Got 2 Luv U feat. ALEXIS JORDAN
02. She Doesn't Mind
03. Body
04. What I Want
05. Won't Stop (Turn Me Out)
06. Dream Girl
07. Hold On
08. How Deep Is Your Love feat. KELLY ROWLAND
09. Put It On You
10. Roll Wid Di Don
11. Touch The Sky
12. Wedding Crashers

※国内盤特別特典:3曲追加収録
01. Dream Girl(Remix) feat. LECCA
02. SP's Dutty Rock Decade Megamix by DELTA FORCE
03. Standing There feat. ZIA BENJAMIN

+解説(池城美菜子)+歌詞・対訳追加

SEAN PAUL PV
「Got 2 Luv U feat. ALEXIS JORDAN」PV

SEAN PAUL PV
「She Doesn't Mind」PV

Y:一番の変化は?


SEAN PAUL ジャマイカのプロデューサーとの曲が今作ほど少ないのは初めてだね。コレまでもレゲエやダンスホール以外のプロデューサー達との曲をアルバムに収録してきたけど、いつもジャマイカのプロデューサー達との曲がメインだった。自分がダンスホールやレゲエ、あとジャマイカをレペゼンして、それを世界中に届ける「大使」としての役割を強く意識もしていたし、ジャマイカで作られる最先端の音をそのまま世界に伝えたい気持ちもあったからね。


Y:その思いが変わった?


SEAN PAUL いや、「大使」であることは現在でも意識しているよ。それは変わらない。でも、これまでの4枚を通じて、自分がダンスホールのアーティストで、ジャマイカのレゲエから登場してきたということは、ある程度認知されたと感じるようになった。そうした「一つの段階」は経た気はしたんだ。それで、それなのにこれまでと同じアルバムの作り方をするのはフレッシュじゃないな、って思えたんだ。新しい伝え方が必要なタイミングだと思えたんだ。


Y:ふむふむ。


SEAN PAUL あと、これまでの活動によって、世界的なプロデューサー達と仕事が出来る立場にもなっていて、それに挑戦するのも良いタイミングに思えたんだ。彼らも自分がダンスホール・アーティストで、ジャマイカ出身のSEAN PAULって知っているわけで、対等に組める良いタイミングに思えたんだ。うん、自分は自分のスタイルのままにしかやらないけど、それが彼らと組むことでどう伝わり方が変わるかに期待もしたし、そうすることが新しい挑戦としても相応しいと思ったんだ。「カッティング・エッジ」で有り続けたいしね。


Y:なるほど。今作でこれまでと作り方を変えた理由はよく理解できました。アーティストとして新たな挑戦に挑んだ理由もよく理解しました。ただ、こうした試みは初めてのことだったわけですが、アルバム・プロデューサーの立場として不安みたいなものを感じたことはなかったですか?


SEAN PAUL なかったね。そういう意味では、STARGATEもだけど、今回はRICO LOVE(BEYONCE / USHER他を手掛けるトップ・プロデューサー)が大きかったかな。うん、RICO LOVEとは初めて仕事したけど、事前には「ホントに気に入ったアーティスト以外とは仕事しない人」って聞いていたんだ。とりあえず「2曲一緒に作ってみたい」と打診してみたんだけど、結局は6曲作ることになったよ。うん、マイアミで一緒に作ったんだけど、次々とアイディアが出て来る人で刺激を与えてもらったな。その過程において、自信も手応えも感じていったし、新作が自分が求めていた素晴らしい作品になるって確信も持てたよ。


Y:ふむふむ。様々なタイプの曲が収録されていますけど、特別な曲とかはありますか?


SEAN PAUL どれも特別だけど、日本に来ているから「Hold On」と答えるよ。日本は一年近く前に震災・津波で大きな被害を受けた。そのことに対しては自分も胸を痛めているし、早く復興・復旧することを願っている。被災した人達の中には家族や友達、大切なものを失ってしまって、心を痛めている人達も多いと思う。その中で現実に立ち向かわないといけない困難さも想像できる。「Hold On」は逆境の中にあっても、夢を、希望を失わないこと、それにしがみつくことの大切さを伝えている曲なんだ。それは違う言い方をすれば、自分自身を愛すること、大切にすることも伝えていて、自分の人生を大切にすることを伝えている。どうかあきらめないで、前進して欲しいし、挑戦して欲しい。


Y:素晴らしい回答ですね、ありがとうございます。


SEAN PAUL - TOMAHAWK TECHNIQUE

SEAN PAUL いや、自分も一緒で、あきらめずに、前進して、挑戦していくだけなんだ。自分自身を愛して、自分の人生を大切にするならそうするしかないんし、常にポジティヴな気持ちで立ち向かっていきたいんだ。自分の音楽を通じて伝えているのもそういうことなんだ。


徐々に廊下もガヤガヤ。ラジオの取材陣も到着で、色々な人達が部屋に入り始めて、再びSEAN PAULは仕事に復帰・・。


つづきは『LIVE REPORT』へ・・。


INTERVIEW:八幡浩司(24x7 RECORDS, INC.)
PHOTO BY:24x7 RECORDS, INC.
SPECIAL THANKS:小野誠二(WARNER MUSIC JAPAN)
FEBRUARY 28th 2012 @赤坂BLITZ、TOKYO JAPAN


▼ LIVEの模様はこちらから!
SEAN PAUL LIVE REPORT


◆ WARNER MUSIC JAPAN:http://wmg.jp/artist/SeanPaul/
◆ SEAN PAUL OFFICIAL SITE:http://www.allseanpaul.com/


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