ともだちのフリして聞いてみた

JUMBO MAATCH from MIGHTY JAM ROCK『KINGSTONE 11』リリース記念雑談。

KINGSTONE 11 / MIGHTY JAM ROCK
KINGSTONE 11/MIGHTY JAM ROCK

MIGHTY JAM ROCK / MJRS-002 / 税込2600円(CD+DVD)

MIGHTY JAM ROCK
MIGHTY JAM ROCK (L→R:TAKAFIN / BOXER KID / JUMBO MAATCH)

  マイティ・ジャム・ロックが新作『KINGSTONE 11』をリリースした。既にチェックされている方も多いだろうし、各媒体等で紹介されているので知っている方も多いハズ。


  これまでもマイティ・ジャム・ロックの新作がリリースされる度に、「BLOG」で好き勝手に感想を書いてきたが、自分が彼らに興味を抱くのは、彼らが常にジャマイカのレゲエ/ダンスホールの最新を意識した作品作りをしている点で、実際に毎年現地で制作作業の多くを実施して、そのスタンスをずっと継続しているからだ。彼らがどう現在進行形のジャマイカのレゲエ/ダンスホールを解釈して、それに対する「回答」を表現するのかに注目している。また自分のそれとのギャップを確認することも楽しみにしている。常にジャマイカを意識した音源制作を継続しつつ、日本のレゲエ・シーンを代表するポジションを維持し続けている彼らを通じて、ジャマイカの音源を日本に紹介する立場として学ぶ点も多い。

  また、彼らのビジュアルも含めて打ち出す姿勢は「ハーコー」で、歌声もフローも直情的で「熱く」、使われる表現も言葉も「強い」のには違いないが、その日常と向き合った視線と視線には力みはなく、時に叙情的で感傷的な部分もあって、個人的には惹かれるツボを刺激される。その一辺倒ではないアンバランスな部分、ギャップには自分がジャマイカのレゲエ/ダンスホールの感じる一つの魅力に通じる。その全てを理解し、同意・共感出来るとは正直に言わないが、惹き付けられるのは事実だ。


  で、新作を聴いて、改めてこうした彼らの魅力を再確認して、また自分勝手な感想でも「BLOG」で書こうかと思ったが、ちょうど「横浜レゲエ祭」で彼らと会えるタイミングでもあったので、個人的な感想をダラダラと書くよりも、彼らの言葉を紹介する方が賢明にも思えた。日々「BLOG」にウンザリさせられているユーザーの皆様のコトを思えば、そうすべきかと思えた。


  以下はジャンボ・マーチとの会話から。忙しいところを呼び止めて話を聞かせてもらった。正直に言えば、特に質問を用意していたわけでもなく、雑談させてもらった感じだ。新作のコトを聞くフリしつつ、その顔を前に普段からどこかで聞いてみたいと思っていたことを聞いてみた感じだ。だから、話は思い付きなまま展開してまとまりはない。色々と答えさせられたジャンボ・マーチも「何が聞きたいの?」と思っている様子は感じた。あと、ジャンボ・マーチだけに聞いたのは、以前に一度『RIDDIM』誌用にインタヴューさせてもらったことがあり、その縁で「話しかけやすい」と感じたからだ。ちゃんと話したのはその『RIDDIM』の時だけなのに、友達のフリして聞いてみた。


  単なる自分のワガママな雑談に忙しいところ付き合わせてしまったジャンボ・マーチに申し訳ない。ちっとも新作のプロモーションにもならないのに申し訳ない。あと、失礼な質問にもちゃんと答えてくれて有り難う。「とっても良い人だ」、とか言っとく。なんとなく。



◆ えー、最初は新作のコトについてなんですけど、アルバム・タイトルはなぜ『KINGSTONE 11』なんですか? 特に「KINGSTON」に「E」が付いているのはどうしてですか? この「KINGSTONE」は地名の「KINGSTON」ではないんですか?  

KINGSTONE 11』には色々な意味が掛かっているんですよ。まっ、『11』というのは『キングストンと行き来して作ってきた11枚目』ぐらいなんですけど、地名のキングストン(KINGSTON)に「E」を付けているのは、「TONE」(音)という部分にも掛けているのもあるんですけど、あと、大阪に「キングストン・ラウンジ」っていうクラブがあって、そこも「E」が付いた表記なんですよ。で、そのクラブの前身の「ラブリッシュ」というクラブは自分達にとっては原点みたいな場所だったりもして、それを意識して「E」を付けたんですよ。ええ、別に誤植じゃないですよ(笑)。


 

◆ 今回はこれまでの(8年間/アルバム8枚リリースした)メジャーを離れたことで・・、

JUMBO MAATCH
JUMBO MAATCH

そうですね、一番これまでと変わったのは、原点という意味で、メジャーを離れて自分達で全部やることにしたことですね。と言っても、これまでも全部自分達で録音して制作してましたし、音に関しては最後のマスタリングのところまでもやってましたし、そうした部分ではあまり変わりはないんですよね。ただ、アートワークのコトとか、特に店頭に対してのプロモーションとか、そういう部分では色々と大変なコトはありましたね、ええ、店頭に対する案内一つをとっても。でも、まぁ、制作とかそうした部分では変わらないですね。もう自分達でアルバムも制作できる体制も出来ているし、映像の部分も含めやりたいコトできるようになってますからね。ええ、まぁ、そりゃ不安な部分と言うか、正味な話、「数字(オーダー数)とかどうなるんやろ」とかはやっぱり思いましたよ。やっぱり、正直そこは気にはなるじゃないですか?、でも、まぁ、幸いにしてメジャーとやってた時とそんな大差ないと言うか、変わらずやれてるんで、まぁ、まずは良かったんかな、と・・。  

  うん、そうした自分達の状況もあったり、あと、例えば「商品の価格」ですよね、「なんでDVD付きになると(メジャーでは)この値段になるのか?」とかそういうのもあったり、あと、やはり歌詞の部分でも窮屈な部分もありましたね。


◆ でも、実際にこれまでメジャーではそんなに歌詞の規制ってあったんですか?

そうですね、規制があったことは事実ですね。まぁ、それでも自分達はその中ではやりたいようにさせてもらってた方だとは思いますよ。でも、歌っているコトの対象とか、歌詞の全部とかではなくて、「歌詞のこの部分だけを他の言葉に変えて欲しい」とかはあったりしましたね。でも、そこだけ変えるとなんのコト言ってるのか、なんのこっちゃ分からんようになったりしちゃうんですよ、そういうことは実際にありましたね。

  そうした規制が無くなったことは今回の作品では大きいところだと思うんですけど、だからと言って、特別に変なコトを言っているつもりは全然ないんですよ。「普通に生活していたら、普通そう思うやろ」なコトだし、普通の会話で話しているコトを言っているだけのつもりなんですよ。例えば、このタイミングのリリースで原発のコトとかに触れないハズがないじゃないですか、普通。でも、きっとメジャーだったら、それもダメだったんだと思うんですよ。


KINGSTONE 11 / MIGHTY JAM ROCK
KINGSTONE 11/MIGHTY JAM ROCK


SONGS LIST
01. OVER NIGHT / JUMBO MAATCH, TAKAFIN, BOXER KID
02. Bullet Bullet... / TAKAFIN
03. ROLL UP ! / BOXER KID
04. K-O-N-R-A-N-K-A?? / JUMBO MAATCH
05. CONCRETE JUNGLE 〜怒りの反抗〜 / JUMBO MAATCH, TAKAFIN, BOXER KID
06. Touch Di Road / TAKAFIN & TAK-Z
07. MISS U / BOXER KID & PETER MAN
08. それってどうなの? / JUMBO MAATCH
09. まかりとおる / TAKAFIN
10. スーパードゥーパ / BOXER KID
11. IN THE DAYS / JUMBO MAATCH, TAKAFIN, BOXER KID & BIG BEAR
12. FIRE HOUSE / JUMBO MAATCH
13. THE SUNRISE AGAIN / TAKAFIN
14. トラブルメイカー / BOXER KID
15. HOPE ROAD / JUMBO MAATCH
16. SHIN-KO-KYU / JUMBO MAATCH, TAKAFIN, BOXER KID

(問)MIGHTY JAM ROCK
www.mightyjamrock.com
JUMBO MAATCH twitter:@papamanchi

◆ 三人がそれぞれに歌う曲のテーマが同じになったりとかもありますけど、それは事前に話し合って決めてそうしたりするんですか?

いや、他の二人とそれぞれの歌のコトとか、歌うパートとかのコトを事前に決めたりはしてないです。他の二人と自分のテーマとかが被るのもたまたまと言うか、「そりゃ今ならそのコト歌うやろ」と三人とも思っただけのコトなんだと思います。まっ、色々と言うべきコトがたくさんあるじゃないですか、現在は。

  で、原発に関しては、自分の場合は、別に学者でもないので、原発とか、その事故のコトじたいではなくて、その事故を通じて「真実が伝えられていない」コトに対して意見を言ってるんですけどね。で、それも日常の会話では普通のコトだと思うんですけどね。

  あと、やはり大阪は風営法のおかげで酷いことになってますからね。ええ、もう大阪のクラブはホンマに酷いコトになってますよ。自分達はまだそれでも活動できている方ですけど、もう若い子達なんてホンマにやれなくなってますから。そうした場をなんとかしないといけないと言うか、自分からしたら自分が十何年もやってきたことが否定されてしまうことにもなりますから、それは言いたいし、言いたくもなりますよね。うん、だから「普通」のコトを言っているだけなんですよ。自分も「普通」ですし。ええ、そんな思われているほどガラも悪くないっすよ(笑)。


◆ でも、何か意見する対象を明確にすると、その分のリスクもあると思いますが、どう考えていますか? またジャンボさんはtwitter等でも頻繁に意見もしている反面、ダイレクトに不特定多数の人から自身の発言に向かっての意見も出てくると思いますが。

まぁ、そうですね、確かに何かを言う以上、それは責任が伴いますよね。ええ、twitterとかでもそうですよね。まぁ、幸いにして、まだそんな反論とか批判とかは受けてないですけど、仮に何かそうした意見を受けたとしても、そこは自分としては受けられるというか、反論できる事しか触れない様にはしてますけど。まぁ、そんなたいしたコトつぶやいたりもしてないですけどね(笑)、ええ、サッカーとかそんなのも多いですし(笑)。


◆ 「11枚目のアルバム」ということは、当然それだけキャリアも長くなってきていることでもあるのですけど、年を重ねる中で変わってきたこととかありますか? 自分自身も変化してくるでしょうし、その中で一人の個人としての自分と、周囲の期待する「ジャンボ・マーチ」とのズレとかは自分の中で生じてきたりしないものなんですか?

JUMBO MAATCH

そうですね、確かに年も経験も重ねていくと変わっていく部分はあると思います。ただ、別に自分個人と「ジャンボ・マーチ」を分けたりはしてないですね。変にキャラを作ろうとかはないですね。言い方はキツいのかもしれないですけど。

  で、自分のやり方がもともと多くの人に受け入れられるものだとは思ってもないですし、そういうの(多くの人に受け入れられやすいもの)に対して「どうなん?」みたいなスタンスのものがもともと好きだったりしますし、それは現在も変わらないんですよね。ええ、そんなめちゃめちゃ売れるなんて最初から思ってないですし、「売れるために」とかそんなのも全くないですし、そのままですね。それしかできないですし。

  確かにレゲエも自分が聴き始めた頃とは随分と変わりましたし、ジャマイカもそうですよね。勿論、自分の中でも「以前と現在のレゲエを比べてどうか?」というのはあるのかもしれないですけど、やはり現在でもジャマイカのレゲエに勝ててないんですよね。ずっとその魅力に惹かれて、追っかけている者として、行くとなんか「まだまだやな」と思わされるコト、超えられていないと思うコトが多々あって、それもあって現在もジャマイカに行くんやろうし、そこでジャマイカの人達と作って足らないと感じる部分を吸収してみたいと思うんですよね。そうですね、そういう部分もずっと変わんないんですよね。


◆ 長く活動していると、その分の経験とかキャリアも武器となりますけど、その反面若い世代にとっては「年上の世代」として、敬遠されやすくなる部分もあるかと思いますけど、今日もそうですけど、若い客層の前に歌っていて、自身の伝えたいものが伝わっていると感じたりしていますか? 長くやり続けているからこそのジレンマみたいなものはないですか?

うーん、どーなんでしょうね・・(笑)、まぁ、若い子達にも伝わっているとは思いますけど、うーん、どうやろ、伝わってないかもしれないですね(笑)。わかんないっすね(笑)。まぁ、でも、だからと言って何かを変えようとか、変に擦り寄ろうとか、そんなのは全然ないですね。適材適所だと思ってるんで(笑)。


◆ 今日のライヴも見ていて、改めて感心したんですけど、普段はどれだけ練習とかしているんですか? 三人で決めて練習とかしたりするんですか?

そうですかー?、いやー、今日はちょっと自分としては色々と反省はあったんですけどねー(笑)。いや、でも、練習とかはしないですね。まぁ、レコーディングの「歌入れ」じたいが練習になっているというのもありますけど、あとはライヴが決まるとそのリハで合わせていく感じですね。だから、新曲とか最初の方(のライヴ)は、まだバラバラだったりもしちゃうんですけどね(笑)、慣れてくると良くなると言うか、まぁ、ホンマはそんなんじゃダメなんですけどね。


◆ ああ、あと、昨年で10枚目を出したことを区切りとしたり、メジャーを離れての新体制ということで、これまでと違うコトにトライすることも出来たとは思うんです、例えば三人それぞれのソロ・アルバムを出すとか。そうしたコトは考えたりはしましたか?

ねぇ?(笑)。まっ、完全にタイミングを逸してしまいました(笑)。ソロ・アルバムも出したいんですけどね。まっ、ウチの場合は、三人組でもあるけど、一人一人のピンの集団という考えもありますし、これまでもアルバムの中で毎回何曲ずつかはそれぞれのソロの曲もやっているので、ソロと三人の作品との住み分けみたいなのが難しくなっているのはあるっちゃあるんですよね。だから、ソロとしてやっていないという感じでもないし、なんかそのへんが難しいですね。でも、いつかはソロ・アルバムとかやってみたいとはずっと思ってますね。まっ、それが求められているのかどうかは分かんないっすけど(笑)。


◆ あー、なんか時間もアレなんで、またにしましょうか。なんか変な会話でスイマセンでした。

  いえいえ、こちらこそ。では、また。


  改めてジャンボ・マーチに感謝&スイマセン。少しでも、ジャンボ・マーチと言うか、マイティ・ジャム・ロックの理解に役立てば幸いです。


文責:八幡浩司(24x7 RECORDS)


JUMBO MAATCH RECOMMEND!!


REGGAE ANTHOLOGY - SWEET SOUND OF COCOA TEA
VP RECORDS / VP4123 / 2CD
2008 RELEASED

JUMBO MAATCH RECOMMEND!!
学生時代とかはずっと部活(アメフト)ばかりしていて、そんなに音楽を聴く時間とかもなかったんですよ。タカフィンとかから色々と教えてもらったりしてはいましたし、レゲエもボブ・マーリーとかは知ってましたけど、ホントにレゲエにハマったのは「COCOA TEA & BUJU BANTON / Too Young」でしたね。なんやこれ?、って感じでした。まっ、その後になってリリックの意味を知ってプッとなるんですけどね(笑)


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