ETANA / LONG INTERVIEW


◆ ETANAは勿論レゲエ・シンガーですけど、同時にスローなバラードであったり非レゲエの曲も高いですし、人気の大きな理由となっていますよね。

REGGAE'S GONE COUNTRY
REGGAE'S GONE COUNTRY

VP RECORDS / IMPORTS / CD(VP1861) & LP(VP18611)
※カントリーの名曲をレゲエ・カヴァーした企画盤。ETANAも「04.Crazy」で参加。

ETANA「レゲエのコトを話しているくせにレゲエを歌ってないじゃないか?」って(笑)。うーんとね、ちゃんと話すわ。まずね、自分は自分でしかないの。つまり、自分をそのままに表現することにしているの。自分の音楽体験を振り返ると、まず、私のお婆ちゃんは大のカントリー好きなの。ええ、そうよ、カントリー・ミュージックよ。だから、小さい頃にはお婆ちゃんの影響でカントリーをたくさん聴いて育ったの。あと、フロリダでも生活していたので、自然と色々なジャンルの音楽を触れることになったし、あとフロリダではポップなガールズ・グループの一員としても活動もしていたでしょ、だから、そうやって色々と自然と吸収したものが自分の音楽にそのまま表れてくるの。それが自分で自分の音楽なの。決して無理してトライしているわけでも、自分をレゲエに押し込めようともしていないの、自分は自分でしかないし、ありのままの自分を表現することに努めているの。それしか出来ないし、したくないの。


◆ それでも「レゲエ」を求めて、ガールズ・グループを脱退してジャマイカに戻ったのはどうしてですか?

ETANAそれも自分だから。アフリカを先祖に持つ、ジャマイカの黒人として生まれた自分にとって相応しいコトと思ったからね。レゲエは私にとってはドラム&ベースなの。アフリカをルーツにしたドラムとベースの響きがジャマイカで生まれたレゲエには込められていて、それを自分が歌うことが自分にとって一番相応しいと思ったのよね。あと、もともと自分はスピリチュアルなコトに惹かれる性格であったことも理由だと思うわ。それも育った中で自然と養われたことだけど。


◆ なるほど。で、ジャマイカに戻ってRICHIE SPICEとかCHUCK FENDA等が所属した〈5TH ELEMENT〉に参加して、バック・コーラスとして活動して、そのツアー中に「Wrong Address」が生まれてブレイクしたんですけど、ところで〈5TH ELEMENT〉って結局どうなってしまったんですか?

ETANAうーん、よく分からないわ。RICHIEは自分で自分のコトをやっているし、みんなバラバラで、二人いたマネージャーも喧嘩したみたいだし、あと刑務所に入っている人もいるし・・・・、


◆ あらら、そうなんですか・・。えー、ETANAの話に戻しましょうね。そうそう、作品のコトにしましょう。と言うのも、『THE STRONG ONE』は日本盤のリリースもあって、国内メーカー(ビクターさん)の協力で色々と露出したり、広くに紹介も出来たんですけど、今年の新作『FREE EXPRESSIONS』は自分達の非力もあって、なんかちゃんと届けられていない感じなんです。それを埋め合わせるわけではないですけど、改めて『FREE EXPRESSIONS』の話をしましょう。

ETANAELEPHANT MANの新作とリリースが同時期だったから宣伝しなかったんでしょ(笑)?


◆ いえいえ、それは関係ないっすよ。勘弁して下さいよ。えー、新作の特徴は前作と違ってヨーロッパのレーベル/プロデューサー(〈NECESSARY MAYHEM〉/CURTIS LYNCH)との音源が5曲も収録されていることだとも思うのですが、この選択はどうしてですか?

ETANA

ETANAKEMAR McGREGORやジャマイカのプロデューサーの曲も多いわよ。でも、CURTIS LYNCHとの曲も多いのは予算のコトも関係しているわ、ええ、アルバムの制作費。と言うか、求める金額がクレージーだったことで、一緒に仕事しなかったジャマイカのプロデューサーが何人かいたのは事実よね。前作が出て、それが売れたのを知って、「自分も新作に参加したら大金がもらえる」って勝手に勘違いした人がいたりしたわ。でも、それはそれとして、自分の求める曲を作れる人達がたまたまCURTIS LYNCHだったとも言えるわ。結果論としてね。自分はリディムをもらって曲を作るタイプではなくて、自分の中で生まれた曲をそれに相応しいリディムやサウンドに合わせるタイプなの。そういう部分で今回はCURTIS LYNCHとやり易かったというのはあったわ。さっきの話にも繋がるけど、ジャマイカとは違うレゲエをちゃんと作れる人でもあったし。あと、アルバムをリリースする前にシングルで先にリリースした時から反応も良かったしね。ええ、勿論結果として正しい選択だったと思っているし、作品には満足もしているわ。


◆ CURTIS LYNCHと仕事する時はメール等でやり取りするんですか?

ETANAううん、それはないわ。実際に会って話し合ってじゃないと作れないし、作らない。 彼らがジャマイカに来た時とか、自分がロンドンに行った時に一緒にスタジオに入ったりして、意見を交換し合いながら作る感じね。ジャマイカのプロデューサー達と作る時と同じね。


◆ ジャマイカのレゲエ・シーンは女性アーティストも少ないですし、プロデューサー達と意見を言い合うのも大変な時もありませんか?

ETANAそれはしょっちゅう。いつものことよ。でも、相手の目を見てハッキリと言うことにしているの。勿論、それでトラブルになったり、プロデューサーが他の人に自分の悪口を言っている現場に出くわしたこともあるわ。ジャマイカ人は噂話が大好きだから、色々と裏で言われたりもしているわ。対象が女性だと余計にそうなったりもね。うん、スタジオに入ると自分だけ違う態度を取られることもあるしね。でも、それでも言うの、言い続けるの。それで嫌われることなんて怖れていないの。そうやって言い続けることで自分を理解してもらうしかないし。理解してもらう前に嫌われることもあるけど、それはそれで仕方ないの。残念なコトだけど・・。うん、だからね、ホントに友達が少ないの。特に音楽業界にはいないの。それでも構わないし、自分もそうした人達の他人への噂話とかにも参加しないし、距離を置くし、自分の家とかで静かに過ごすことにしているの。ホント言うと、そうした周りの音楽業界の人達のコトは全く気にしていないの。


◆ STONG ONEですね。どうしてそう強くいられます?

ETANAさあ・・、それが自分としか言えないわよね・・。


◆ えー、作品の話に戻りますが、前作はDEAN FRASERの貢献度が高かったのですが、新作ではそれほど参加していませんよね? さっきの話ってDEANのコトですか?

ETANAううん、全然違うわよ。DEANは今回も参加しているし、ほとんど全曲のコーラスとかのアレンジはDEANがやってくれたのよ。DEANとはずっと良い関係よ。実際に新作用にも何曲か録ろうとして一緒にスタジオに入ったんだけど、今回に限ってはそこで何か自分が求めていたものが出来なかったってだけね。そういう時もあるの、なんて説明したらいいのかな、スタジオのヴァイブスと言うか、フィーリングと言うか、まぁ、スタジオの中でのものがフィット仕切れなかった感じなの。


◆ あと、日本として話題なのは日本人シンガーのPUSHIMのカヴァーも収録されていることです。

ETANAええ、ただね、この曲は彼女の企画盤のために録った曲なの。そうそう、彼女の10周年の企画盤でジャマイカンが彼女の歌をカヴァーした作品ね。彼女自身に依頼されて、その作品用に録ったものだったの。だから、新作に収録する予定ではなかったの。ただ、誤解して欲しくないのは、この曲が嫌いとかそういうことではないというコト。自分はPUSHIMをとってもリスペクトしているの。シンガーとしても、会った時の謙虚な印象も好き。でも、この曲は彼女のための曲で、自分の新作のために録ったものではなかったし、特に自分の書いた歌詞でもなくて、自分の使う言葉の表現でもなかったから、自分の作品には入れないつもりだったの。でも、最終的にはVP RECORDSとも話し合って入れることにしたの。


◆ VP RECORDSと言えば、担当A&RだったJOEL CHINが亡くなりましたね・・。

ETANAええ・・。JOELのコトは語り尽くせないわ・・。ああ、さっきDEANの話が出たけど、JOELの葬儀の時に一緒で、ホントはそこで自分もDEANの演奏で歌う予定だったの。でも、とても歌えるような気持ちではなくて・・。


◆ そうでしたか・・・。えっと、先の話もしましょうか・・。もう次の新作に取り掛かっているって聞いたんですけど。

ETANAええ、もう準備しているし、何曲かは録り始めているわ。ホントは来年の春までにリリースしたかったけど、ツアーの予定も多くて、ジャマイカと行ったり来たりになるから遅れてしまいそう。でも、そのツアーを通じて得るものもあると思うから、必要以上に焦りたくないの。でも、なんとか夏から秋にはリリースしたいわね。


◆ 具体的にどんな作品となりそうですか?

ETANA自分の成長を伝えるものとしたいわね。もっと表現したいコトもスタイルもあるから、それを全部出し尽くした作品にしたいわ。


◆ 『FREE EXPRESSIONS』は自分でアルバム・プロデュースを努めていましたけど、新作もその予定ですか?

ETANAそうね。ただ、〈PENTHOUSE〉のDONOVAN GERMAINにはディレクター的なコトをしてもらう予定。そう、〈PENTHOUSE〉と契約はしたの。でも、自分が〈PENTHOUSE〉に所属したというわけでは全くなくて、あくまで作品を作る上で一緒に仕事してもらう関係というコトなの。さっきも話したけど、色々なプロデューサーやミュージシャン達と仕事する際は色々とあったりもするのも事実で、音楽を作ること以外にそうしたストレスを抱えたくないし、そういう意味ではGERMAINはそうした部分に長けているし、音楽もビジネスも理解しているし、まとめ役として適任なの。自分の表現したいものを作るにあたってGERMAINに協力してもらう、って感じね。そうそう、マネージメントとかも色々な人達とやってきたけど、自分で自分のマネージメント会社を設立したの、うん、もう全部自分のコトは自分でやることにしたの。それが一番自分らしくいられると思うしね。


◆ ああ、そろそろ時間なんですけど、最後に自分が歌を歌う「使命」って何だと説明します?

ETANA

ETANA使命・・、うーん・・、自分の哲学は成長と共に変化していく、ということは前置きさせて。その上で、今にその質問に答えるとしたら、女性のために歌うということかな。さっきの話にも通じるけど、ジャマイカでは音楽業界だけでなく、色々と女性は弱い立場であったりするし、男性や周りに合わせることを求められることも多いの。そうした女性の人達に向けて、「自分らしくあればいい」ってことを伝えたいのよね。若い女性のアーティストで自分と同じ様に自分のありのままで歌って認められているのも自分とQUEEN IFRICAぐらいで、その前の世代も女性の性的な部分をアピールしたり、執拗に女性らしさとか、男性に対するセクシャリティの部分をアピールしたりするアーティストばかりで、そのままの自分で活躍できるアーティストは少なかったの。でも、できれば自分の歌とか活動とかを通じて、多くの女性達に「そのままでいい」って理解してもらいたいし、女性アーティストを目指す人達にも「脱いだり、露出したりしなくていい」って知ってもらいたわね。今はそう思っているわ。


ETANA
ETANA PV - HAPPY HEART 「Happy Heart」PVはこちらから!
お相手もこちらでチェック。

◆ 分かりました。色々と話してくれてありがとう。ああ、あと、今回一緒に来日されている方って結婚したばっかの旦那さんですよね? 「Happy Heart」のビデオで共演されて出会ったんですよね?

ETANAそうなのー! あのねー、彼とはビデオの撮影以前に一度会ってたのよー。


(旦那) 僕がやっていたテレビ番組に出てもらったんだよ(照)。


ETANA
でもねー、アタシは全然覚えてなくてー。


(旦那) 君の手を引っ張ってあげたじゃないか(照)。


ETANAでも、全然覚えてなかったのよー。でねー、ビデオの撮影の時に出会っても最初はお互いにヨソヨソしくてそんな感じじゃなかったのー、でもねー、スタッフに「ちゃんとお互いの目を見て演技しなきゃダメだー」って言われてねー、彼の目を見たのー、そしたらねー、その瞬間に恋に落ちたのー、エヘヘー。


(旦那) ムフフ(照)。


◆ へー、そうすか。そりゃ、良かったっすね。ありがとうございました。


インタヴュー & 文責:八幡浩司(24×7 RECORDS., INC.)
写真:24×7 RECORDS., INC.
@12月5日/東京プリンス・ホテル
取材協力:MJ ENTERTAINMENT


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